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セラミック矯正

矯正治療にはいくつか種類があり、その中の一つに「セラミック矯正」というものがあります。セラミックは陶器の材料の一種で食器や医療機器、電子部品など私たちの生活の様々な場面に使われている身近な素材です。歯科分野におけるセラミックを用いたセラミック矯正とはどのようなものなのか、ご紹介します。

セラミック矯正とは

セラミック矯正とは、セラミッククラウン(被せ物)を自然歯に被せることで歯並びを整えていく治療法です。セラミック製のブラケット(矯正装置)を使用し歯列矯正することをセラミック矯正と呼ぶこともあるため、勘違いしやすいですが、一般的にセラミック矯正と呼ばれるのは、歯を移動させるのではなく、歯を削って人工歯を被せる治療のことです。セラミック矯正は歯を根本から移動させるわけではないので、正確には「補綴(ほてつ)治療」に分類され「矯正治療」の分類には入りません。

ワイヤーやブラケットを用いた一般的な矯正治療は最低でも1年以上の年月がかかるのに対して、セラミック矯正は1週間から数ヶ月で完了することもあり、「クイック矯正」とも呼ばれています。

セラミックの種類

セラミック

セラミックとは陶材の一種であり、自然歯に近い乳白色で、艶があり透明度が高く、審美性が高いのが特徴です。しかし、一般の治療に使用されるレジン(合成樹脂)よりも柔軟性がないため、強い衝撃で欠けてしまうケースもあり、費用が若干高額になります。

オールセラミック

オールセラミックはネーミングの通り、すべてセラミックで作られている人工歯のことで金属アレルギーの方でも使用することができます。審美性には優れていますが、陶材100%で作られているため比較的欠損しやすく、ブリッジなど強い力がかかる部位には不向きと言えます。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、ジルコニアという固いセラミックで作られたクラウン(被せ物)のことで、人工ダイヤモンドや人工関節にも使用されています。とても強く、丈夫な人工歯である上に審美性に優れ、且つ、メタルフリーなので金属アレルギーの方も使用できます。強い力がかかる奥歯などにも向いていますが、費用がやや高めです。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックはセラミックとプラスチックを混ぜて作られたものです。一般的な治療に使用される硬質レジンと比較すると耐久性は高いですが、変色しやすく、経年劣化のデメリットがあります。

またオールセラミックより審美的な面では持続性が劣りますが、柔軟性に優れているため欠けにくく、天然の歯と同じように自然と磨り減り、周囲の歯にも優しいのが特徴です。

メタルセラミック

メタルセラミックは外側の表面はセラミック、内側は金属で作られており、強度もあり、割れにくく長持ちします。前歯や、強度を求められる奥歯の治療に使用される事が多く、前歯など限られた部位には、保険が適用されることもあります。

芯に金属を使用しますので、体質によっては歯茎が変色を起こすこともあり、金属アレルギーの方は使用することが出来ません。

セラミック矯正のメリット・デメリット

【メリット】

セラミック矯正はクイック矯正とも言われるほど、一般的な矯正治療と比較すると治療期間が短いのが特徴で、成人式や結婚式、面接などの大事なイベントまでに間に合わせたい状況にはメリットであると言えるでしょう。

また一般的な矯正治療に比べて通院回数が少なく、忙しい方でも治療が行えます。さらには矯正器具を装着しないため痛みもなく、セラミッククラウンの色や形が選べ、目立たない治療が受けられるので治療を開始する時期もさほど悩まずに済むでしょう。

【デメリット】

セラミックは金属の補綴物と比較すると強度が少し弱いため、厚みのあるものを入れる必要があります。よって健康な歯を削る量が多くなってしまい、一度削った歯は元に戻すことは出来ず、神経を取ることになり必然的に寿命が短くなります。

歯の部位と、セラミックの素材によって異なりますが、総額費用が100万円を超える場合も多く、強度があまり強くないセラミックは欠けてしまうことがあり、セラミックの種類によっては、経年劣化で色が変色してしまうことがあります。セラミッククラウンは、良好な口腔環境を保てれば20年ほど持つといわれていますが、一般的には10年程度が平均の耐用年数だと言われています。変色や経年劣化のため10年ごとにセラミッククラウンを交換するとなれば、交換費用は初回とほぼ変わらないため、同等の費用がかかり経済的であるとは言えないでしょう。

また、セラミッククラウンと自然歯との間に段差が生じ、そこに汚れが付きやすく、歯ブラシも届きにくく不衛生な状態になりやすいと言えます。よってメンテナンス性が下がり、歯周病リスクが上がります。歯周病が進むと、口臭がキツくなったり、歯が抜けやすい、歯茎が下がり歯根が見える、歯茎の黒ずみが出てくるなど、さまざまなトラブルまでも誘発してしまいます。

まとめ

セラミック矯正は「クイック矯正」や「短期間矯正」とも呼ばれることから、安易な気持ちで治療を決意する方がいます。しかしセラミック矯正では思ったよりも矯正されず、治療後に不満が残るケースがあり、後に一般的な矯正治療に変更できないケースが多いのも事実です。大事なイベントや面接までに歯並びをなんとかしたい、などの安易な気持ちで治療を行うと、健康な歯を削り、神経を抜くとなれば取り返しのつかないことにもなりかねません。

信頼の置ける歯科医としっかり相談した上で、セラミック矯正を検討した方がいいでしょう。

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