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歯並びは大人になっても年々変わっています

年を重ねるにつれ、なんだか歯並びが変わって来た気がすると感じる方も少なくないでしょう。歯並びの変化というのは、気のせいではなく、年々変化していくことが分かっています。今回は日々微妙に変化する歯並びの原因と対処法についてご紹介します。

Contents

歯並びが変わっていく原因

親知らず

親知らずが生えていたり、骨に埋まっている場合、親知らずが歯を押して動かしてしまうことがあります。親知らずを抜歯した場合も顎にスペースができるため、歯が動いてしまいます。このように親知らずの影響で、歯が前に出たり、ガタついてしまうなど、歯並びが悪い方向に変化してしまう可能性があります。

歯周病

歯周病が発生し、歯の土台となっている顎の骨が溶けてしまうと、噛み合わせにズレが生じてしまい、歯並びが変わってしまうことがあります。歯周病になると、歯がグラグラしたり、歯茎に埋もれるように浅く沈んだりするのため、気付かないうちに影響を受けていることもあります。

歯ぎしり

歯ぎしりには非常に強い力が顎に掛かっています。最大で157キロの力が加わっていると言われ、お相撲さん1人を持ち上げる程の力に該当します。普段は割ることが難しいクルミを、自分の歯で割っているのと同じことなので、歯ぎしりが原因で歯並びが変化することは十分に考えられます。特に就寝中は無意識のうちに持続的に強い力が加わるため、より歯が動く原因となります。

生活習慣や癖

食生活が偏り、柔らかいものばかりを好んで食べていると、噛む力が衰え、歯並びが変わってしまうことがあります。また爪を噛んだり、頬杖をつく癖があったり、姿勢の悪さなどが原因で、噛み合わせが悪い状態に変化してしまうことがあります。

治療の中断

虫歯や矯正治療など、途中で治療を中断してしまうと噛み合わせは悪化します。治療中は一時的に噛み合わせが悪い状態になっている場合があり、虫歯の治療も削ったまま噛み合わせの調整をしていない状態で治療を中断してしまっていると、歯並びはさらに悪化していく可能性があります。矯正治療も途中で中断し、保定処置がされていないと歯が元あった場所に戻ろうとする「後戻り」を起こしたり、抜歯などをして顎にスペースがある場合も、歯が動いて歯並びが悪くなる可能性が十分あります。

咀嚼(そしゃく)

年を重ねる毎に歯並びが変化する一因は、毎日の咀嚼も大きく影響しています。咀嚼することで奥歯から前方に押され、歯並びは少しずつ突出するように前へ押し出されていきます。

元々歯並びのバランスが悪く、噛み合わせの影響もあり、どちらか片方の奥歯だけで咀嚼する癖があると、一箇所に大きな負荷が掛かり歯が動く原因にもなります。噛み合わせは日々変化するため、気付かないうちに一部の歯に大きな負担がかかっているケースも珍しくありません。片方の顎ばかり発達してエラが張っているなどの症状があれば、咀嚼の左右差に原因があるかもしれません。

生理的な歯の移動

年々歯並びが悪くなる理由には、日々の咀嚼の他にも人間本来の特徴が関係していると言われています。「生理的な歯の移動」と呼ばれ、特別何をしなくても歯は自然と前へ移動する習性があり、健康に気遣い、日々健康な生活を送っている人でも、個人差はありますがだいたい奥歯の大臼歯一つ分と同等の幅くらいは前方に歯が移動してしまうと言われています。

歯並びの悪化を防ぐために

元々、歯並びや噛み合わせが悪い場合は、歯並びの悪化を防ぐために矯正治療を受けることが最も効果的でしょう。正常な噛み合わせや美しい歯並びに改善することでさせることで、年々悪化する歯並びをある程度食い止めることが出来ると考えられています。

元々歯並びが良かったり、以前に歯列矯正をしたことがある方でも、日々歯並びは変わってくるため歯並びが悪くなっている可能性があります。口腔内の状態を確認するために、定期的に歯科医院で検診を受けることが推奨されています。

歯列矯正を行う場合、歯並びの度合いによっていくつかの矯正方法があります。「矯正治療」と聞くとワイヤーとブラケットを用いた本格的な矯正を思い浮かべる方が多いかと思われますが、取り外しが可能で、装置が目立たないマウスピースを使った矯正方法や、部分的に矯正治療を希望される場合には「部分矯正」という治療法もあります。

矯正治療は子供の頃にするものという印象をお持ちの方も多いと思いますが、大人になってから歯列矯正を行う方も多く、芸能人やアナウンサー、キャビンアテンダントなど人前に立つ職業の方でも安心して治療が受けられるように仕事への影響を最小限に抑えた目立たない治療法もあります。

また、普段の生活から悪化を防ぐためには食生活、睡眠、ストレスなどに注意しましょう。

食生活の面で言えば、柔らかいものばかりではなく、しっかり歯ごたえがある食物繊維たっぷりの野菜やお肉なども食事に取り入れ、咀嚼で顎を鍛えることも必要です。最近では柔らかい食べ物が流行っていたり、ダイエットなどで咀嚼回数が不十分になりがちなので意識的に取り入れてみましょう。そして睡眠を十分に取り、疲れやストレスを解消することが大切です。寝ている時にストレスで歯ぎしりをしているようであれば、噛み合わせにも影響が出てきてしまいます。ストレスを感じやすい人は日中でも歯を食い縛っているクセがついている方も多いので、思い当たる節があれば注意しましょう。

年を重ねる毎に変化し、悪化していく歯並びは人間の生理的な面が影響していると言えます。しかし、その性質を知って放置してはいけません。毎日、一生涯使う大切な歯をご自身で守るためにも歯科医院で定期的に検診を受けたり、クリーニングを受けるなどして、口腔内の健康を保ち日々のケアを大切にしましょう。

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