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インビザラインのクリンチェック

インビザラインというマウスピースを使用した矯正歯科治療が普及し、近年ではインビザラインを取り扱う歯科医院が多くなりました。歯並びをきれいに整えていく矯正治療ですが、インビザラインでの矯正治療の際に行われる「クリンチェック」というワードを聞いたことはありますか?クリンチェックとは、インビザラインを販売しているアラインテクノロジー社の歯科矯正用治療支援プログラムであり、歯並びを整えていく過程をシミュレーションするソフトのことを言います。このシミュレーションソフトを用いて、治療計画を立て、マウスピースを一度に製作するため、クリンチェックはインビザラインの治療計画の作成に無くてはならないものなのです。

今回はインビザラインのクリンチェックについてご紹介します。

インビザラインの治療の流れ

STEP 1. カウンセリング

初診では、お口の悩みや、患者さんがどのような治療を望んでいるのかを確認し、必要な処置やおおよその治療期間、費用などの説明があります。インビザライン治療のメリット・デメリットを理解してもらい、治療方針の説明を行い、インビザライン治療が患者さんの希望に沿っているかどうかを確認します。

STEP 2. 精密検査

インビザライン治療に必要な、口腔内診査・撮影、レントゲン撮影、歯型の印象採取を行います。これらの精密検査後、米国に印象採取した歯型を送り、3Dのデジタル歯列が出来上がります。そして現在の状況から、どのように歯を動かしていけば理想の歯並びになるかを繰り返し修正しながら治療のシミュレーションを作製していきます。

STEP 3. 治療計画の立案

精密検査のおよそ1ヶ月後に、診断結果、検査結果をお伝えし、クリンチェックを用いて治療計画や治療期間について医師から説明が行われます。このタイミングで、自分の歯がどのように移動していくのかを3D画像で確認することが出来るため、モチベーションアップに繋がるでしょう。

STEP 4.口腔内トラブルの確認

マウスピースの装着を開始する前に、虫歯や歯周病など、矯正治療の妨げになる口腔内のトラブルがないかをチェックします。もし虫歯や歯周病がある場合は、そちらの治療を先に行います。

STEP 5. マウスピースの装着・治療開始

いよいよインビザラインのマウスピースをはめて治療を開始します。医師の指示のもと、1週間~2週間毎にご自身で次のステップの装置に交換しながら治療を進めて行きます。初期段階では月に1回、その後は2~3ヵ月に1回のペースで通院が必要になり、通院が必要な理由は、装着状況、装置の適合状態、歯の動き、噛み合わせの状態の確認や、口腔内の撮影を行い、記録するためです。普段のマウスピースの装着は1日20時間以上が必至となり、食事の際や歯磨きをするとき以外は、常に装着するようにしましょう。歯並びの状態によりますが、治療期間の目安はだいたい1~3年でしょう。

STEP 6. 保定期間

すべてのマウスピースの装着が終了し、理想の歯並びに改善したら次は保定期間に入ります。矯正治療は歯並びの改善だけでなく、矯正治療が終了した後の歯並びの「維持」がとても大切になってきます。保定期間は、歯を舌で押してしまうなどの口腔癖によって歯が元の位置に戻ることがないように、リテーナーという保定装置を装着し、歯列を安定させる期間です。この保定期間は、だいたい1~3年で、噛み合わせや歯の経過を観察するため、保定期間中は約6ヶ月に1回のペースで通院が必要となります。

クリンチェックの重要性

歯を支える骨の量や歯茎の厚みも、人によって様々であるため、安全に歯を移動させることができる量も当然、人によって大きく異なります。そのため、クリンチェックで治療の進行を予測していても計画通りに進むとは限らず、クリンチェックはあくまでもシミュレーションであり、不測の事態が生じてしまう可能性も、もちろんあります。しかし治療を行っている途中も、クリンチェックの予測と比較しながら治療を進めることで、治療の進行状況や、歯の移動が計画通りに進んでいるかどうかをチェックすることができ、歯の移動が不十分だったり、計画とズレが生じ、マウスピースが合わなくなってしまった場合など、早い段階で治療計画の修正が必要と判断を下すことが出来ます。

このようなことから早い段階で、再度歯型を新しく取り直し、アライナー(マウスピース)を製作することができるため、クリンチェックは治療過程を予測するだけでなく、治療の効率アップにも繋がると考えられています。またクリンチェックは、画面上に治療前・治療後の歯並びや、その途中経過を3D画像として確認できるため、患者さんのモチベーションアップにも繋がり、矯正治療のゴールを医師と互いに共有しやすくなります。

今ではインビザラインが全国に普及し、利用者も多くなったと言われています。クリンチェックのように、コンピューターでシミュレーションをするので、どの歯科医師が担当しても同じ治療結果が得られると思われがちですが、100%クリンチェックのシミュレーション通りに治療が進むことはなかなか難しいです。シミュレーションはあくまでシミュレーションであり、アライナーの変形、装着時間など、すべてを予測して計算できません。装着時間に加え、個々によって歯が移動するスピードもさまざまです。クリンチェックどおりに治療が進まないことを大前提として、どのようにすれば、より実現性の高い計画を立てられるのか、また、どのようにリカバリーするかを考えるのが、担当医の役目となります。そこには歯科医師の経験と知恵が必要になってくるため、インビザラインの症例を多く取り扱っている歯科医院に相談されることを推奨いたします。

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