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舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)というワードを聞いたことはありますか?舌小帯とは、舌の裏側についているヒダの部分を言い、このヒダが生まれつき短かったり、舌の先端に近いところについていることがあり、このような状態を「舌小帯短縮症」といいます。赤ちゃんの舌が短く、不安になる親御さんは多いことでしょう。今回は舌小帯短縮症についてご紹介します。

舌小帯短縮症とは

舌小帯短縮症には、さまざまな呼び方があり、「舌強直症」「舌小帯癒着症」「舌癒着症」「短舌症」などとも言われています。舌小帯短縮症は舌を前に出すと、舌の先端にくびれができ、ハートのような形の舌になる特徴を持っています。舌の先をどの程度上に上げられるかによって症状の軽度・中等度・重度が判定され、簡単な判定方法は、口を大きく開け、舌の先を上あごにくっ付けて口の縦の長さの半分以上、上げることが出来れば軽度、半分以下であれば中等度となり、さらに舌を上に上げようとしても下あごの歯よりも上がらない、もしくは全くあげられない場合は重度と判定されます。軽度では、舌小帯が細い紐のように見え、舌の先端を上あごにつけたり、口の横につけたりすることが自由にでき、ラ行などの舌を使う言葉を速く発音しようとすると、舌がもつれる感じはありますが、日常生活での障害はほとんどないと言えるでしょう。中等度になると、舌を前に出したとき先端がハートの形にくびれます。舌小帯もしっかりした白い紐のように見えたり、ヒダに見えたり、膜のようにも見え、舌の先端を上あごにくっ付けようとしても付けることが出来ず、口を小さく開けば、なんとか上あごに付ける事が出来るという状態です。

また口の横側に舌の先端をくっ付けることも出来ないため、唇をゆっくり舐めることも苦手で、唇についた食べ物を舌で舐めることが出来なかったり、ソフトクリームなどを舐めて食べられない方もいるようです。発音に関しては、ラ行がダ行のように聞こえたり、速く発音しようとすると、舌が付いて行けず、もつれることがあります。重度の場合は、舌を前に出そうとしても下の唇のギリギリくらいまでしか出すことが出来ず、さらに舌を上あごの方に上げることが出来ないので、舌小帯が舌の裏に隠れていて、よく見えない場合があります。

舌小帯短縮症の原因

舌小帯短縮症は、先天的な理由で起こると言われ、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときの、成長過程での異常と考えられています。通常は、胎内でさまざまな器官が形成されていく中で、赤ちゃんの舌と舌顎の粘膜は分離しますが、舌小帯短縮症は、胎内で粘膜が分離しないことで起こってしまうと言われています。生後は舌の障害として残り、舌の成長過程で問題を抱えることが多いでしょう。先天的な舌小帯短縮症の発症原因は解っておらず、遺伝性もあると考えられており、唇の怪我などの、後天的な要素で舌小帯短縮症になる場合もあります。

舌小帯短縮症が引き起こす問題

哺乳障害

舌小帯短縮症の赤ちゃんは、お母さんの乳房への吸い付きが浅く弱いため、哺乳が不十分のまま疲れて眠ってしまうことがあります。また哺乳量が不十分になる可能性があるため、体重が増えない場合もあるでしょう。

発音障害

「ら行」「さ行」「た行」などの発音が不明瞭で、舌足らずに聞こえたり、舌を持ち上げることが出来ないため、ソフトクリームなどを舐めることが出来なくなることがあります。舌小帯短縮症の赤ちゃんの場合、口をあまり開けず、泣き声が小さく弱くなるという特徴もあります。

口呼吸

鼻と口をつなぐ気管が舌で塞がれると、スムーズに呼吸をすることが難しく、自然と口呼吸になりがちです。口呼吸の状態で眠ると、いびきをかいたり、呼吸の乱れが起こったり、呼吸が止まったり、夜中に何度も目が覚めるなどといった症状に悩まされるでしょう。これらの症状は、舌小帯短縮症の赤ちゃんだと、寝ている間に反り返ったり、寝相が悪くなります。また、眠りが浅く、音にも敏感に反応するでしょう。あまり寝ないのも症状の一つです。このように赤ちゃんに起こる問題の他に、お母さんにも影響を及ぼすことがあります。

授乳の際に、舌で上手く母乳を吸うことが出来ないため、歯茎で乳首を噛まれることがあり、乳首に痛みを感じることがあります。哺乳力が弱く、お母さんの乳管が詰まりやすくなることから、乳房がしこって痛いなどと感じることもあるでしょう。舌小帯短縮症の程度が軽度であれば、発音や嚥下機能に問題があることは少ないため、あまり治療の対象となりませんが、中等度や重度になってくると、上記のような哺乳障害、発音障害、摂食・嚥下障害が多くなり治療が必要になるでしょう。

舌小帯短縮症の治療法

舌小帯短縮症が原因で起こった発音障害に対して、舌を動かすトレーニングを行うことで症状が和らぎ発音しやすくなる人もいます。これを機能訓練といい、この他に、舌の舌小帯を切り取り、舌の可動域を広げることで、呼吸や舌の動きの改善をはかる外科手術が行われることがあります。

外科処置の方法は、部分麻酔をしながらハサミで舌小帯を切り取ったり、レーザーを使用して切除したりと医院によって異なるようです。手術は基本的に保険が適用されます。しかし症状や治療方法によって保険が適応されない場合があるため、手術を行うまえに事前に確認してみるといいでしょう。

哺乳障害がある場合などは、新生児から手術を行うこともありますが、症状の程度や治療法、手術が受けられるかどうかは、赤ちゃんによって異なるため、親御さんだけで悩まずに、まずは歯科口腔外科や小児科の医師に相談されることをお勧めします。

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