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血友病

血友病という病気をご存知ですか?血友病は一生涯にわたる先天的な出血性疾患で、出血を抑制するために必要なタンパク質が不足してしまうことから健常人よりも血が止まるまでに時間がかかってしまう病気です。歯科治療には抜歯など大量の出血を伴う治療も存在します。血友病の方はどのように止血が行われるのか、また外傷などでお口の中から出血した場合、応急処置はどのように行うといいのかなど、ご紹介します。

血友病とは

血友病とは、血液が固まるのに必要なタンパク質が不足して、出血が止まりにくくなったり、血が固まりにくくなる病気のことを言い、内出血が起きやすく、青あざができることもあります。

日本には約6,000人もの血友病を患っている方がいるとされており、血友病のタイプは「血友病A」と「血友病B」の二つに分けられ、それぞれのタイプで治療薬が異なるため、血友病を患っている方はご自身がどちらのタイプなのか知っておくことが重要です。

血を止めるには、血小板や血管、血液凝固因子が必要で、それらが次々と反応することで最終的にフィブリンという糊を作り、出血を止めます。

しかし血友病を患っている方は、そのうちの一部が遺伝的に不足しているため、出血が止まりにくくなるのです。しかし血友病はきちんと治療をすれば、健康な人と同じ生活も可能であり、血が止まりにくい病気であり、出血しやすいわけではないので、小さいお子様であっても比較的、他のお子様と同じように過ごすことができます。

歯科受診の際の注意点

血友病を患っている方が歯科医院を受診する際の注意点がいくつかあります。安全に最善の治療を受けるためにも、しっかりと歯科医に自分の病気を説明しましょう。説明することの例としては以下のような点についてです。

  • 血友病の種類および重症度、治療状況等
  • 口腔内の出血の経験について
  • 歯科治療の経験の有無(抜歯の経験がある場合、どのように止血が行われたか)
  • 現在血友病治療を受けている病院や主治医の連絡先
  • 感染症の有無

以上のような情報から、歯科医院で可能な治療や、大学病院での治療がいいなどと判別をされるでしょう。
安全に最善の治療を受けるためには、血友病の患者さんと主治医と歯科医が同じ認識を持ち、合意のもとで治療が行われることが最も重要です。

抜歯や止血困難な治療の場合

血友病患者さんの抜歯や、お口の中を怪我してしまい傷口が大きく止血が困難な場合の処置には、多くが薬剤と圧迫の二つの方法を併用して止血を行います。

薬剤による止血は大きく分けて「傷口に用いる薬」と「全身的に用いる薬」の二つがあり、傷口に使用されるお薬には、主に血管収縮剤であるエピネフリンが用いられます。その他に酸化セルロースの凝血促進作用を利用したサージセルというガーゼを当てたり、トロンビンの液体などが使用されます。

全身的に使用するお薬は血友病の患者さんの場合、凝固因子製剤が中心になります。その他に血栓が溶解しないようにする働きのある抗プラスミン剤のトラネキサム酸を併用したり、毛細血管壁を丈夫にする作用のあるカルバゾクロムといったお薬が用いられるケースもあります。

一方、圧迫による止血は、清潔なガーゼなどで出血部を強く圧迫すると、健常者の方はおおよそ20~30分で止血することが出来ますが、血友病患者さんの場合、出血部の傷が落ち着くまで、圧迫と傷の保護が必要になります。その際に「歯肉パック」とよばれる保護材を歯肉にはったり、「保護床」と呼ばれるセルロイドなどの樹脂製のカバーで傷を覆う処置を行います。

このような保護材を装着するのはだいたい1週間程度で、一旦止血しても1週間後にまた再出血を起こしたケースもあるため、経過観察はしっかりと行う必要があります。再出血した場合には、すみやかに歯科医や主治医に連絡をしましょう。

歯ぐきから出血した場合

歯ぐきからの出血する原因は、歯肉炎や歯周炎、虫歯や、転倒、舌を誤って噛んでしまった場合などが挙げられます。歯周疾患をお持ちの場合、歯周ポケット内の皮膚がブラッシングをした時などに切れ易く、虫歯が歯肉周囲にまで進行すると、歯肉に炎症が起こり出血しやすい状態となります。このように歯ぐきから出血してしまった場合、まずはどの部分から出血しているかを確認することが重要です。口の奥や、のどから出血している場合は、止血が難しいことがあり、窒息の危険性も考えられるため緊急処置が必要となるケースがあります。

次に、出血がじわじわと少しずつ出てるのか、ドバドバと吹き出すように出てるのかを確認しましょう。出血している部分に脱脂綿やガーゼなどを当て、5~10分間ほど圧迫します。出血の量や、凝固因子量にもよりますが、これだけで止血する場合もありますが、圧迫しても止血できない場合は圧迫を続けながら主治医に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。

出血を伴わない治療の場合、医師に血友病患者であることを告げない方もいらっしゃるかと思いますが、歯科を受診される際は安全に治療を行うためにも血友病患者であることをあらかじめ伝えるようにしましょう。

抜歯後や歯ぐきから出血した場合、止血できたとしても、その後わずかな刺激で出血する場合などがあるので、自己判断で補充を中止したり、止血剤の内服を中止するのは危険ですのでしっかりと医師の指示に従いましょう。止血後はなるべく安静にし、食事も柔らかいものを中心に摂るように心掛け、刺激物は控えましょう。また、うがいを頻繁に行ったり、長時間の入浴や飲酒は避けたほうがいいでしょう。

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