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自律神経失調症は噛み合わせが原因になることがある?

「自律神経失調症」というワードを耳にしたことはありますか?
自律神経失調症とは、ストレスや不規則な生活習慣が原因で自律神経のバランスが乱れ、身体に起こるさまざまな不調のことをいいます。この自律神経失調症を引き起こす原因のひとつに噛み合わせも要因の一つではないかと言われているのです。今回は噛み合わせと自律神経失調症の関連性についてご紹介します。

自律神経失調症について

自律神経失調症の原因は、生活リズムの乱れや肉体的・精神的なストレス、女性ホルモンのバランスが崩れることで起こると言われています。生活リズムやストレス、ホルモンバランスの崩れは、私たちの身体に密接に関係しているもので、中でもストレスは自律神経失調症の大きな原因と考えられています。性格が真面目で几帳面だったり、神経過敏なタイプに多く見られ、症状は心や身体に現れたりとさまざまですが、対処法としては、要因となったストレスなどの解消が必須であると考えられています。

自律神経失調症の主な不調や症状は、頭痛・微熱・ほてり・冷え・食欲不振・口の渇き・味覚異常・睡眠障害・吐き気・倦怠感・胃の不快感・肩こり・便秘・下痢・耳鳴り・めまい・立ちくらみ・疲れ目・動悸・息切れ・疲れやすい・手足のしびれや痛み・筋肉や関節の痛み・頻尿・残尿感・生理不順・早漏・射精不能など、たくさんの症状があり、その他にも精神面の症状として、イライラ・落ち込み・怒りっぽい・やる気が出ない・抑うつ・記憶力や集中力の低下・不安感や恐怖心におそわれたり、感情の起伏が激しくなったりすることがあります。

自律神経失調症になると、これらの症状が人によって異なりますが、複数の症状が重なって現れたり、単独で現れたり、症状が出たり消えたりすることもあります。はっきりとした内臓や器官の病気によるものではないため、症状の現れ方もとても不安定で、治療は心と身体の両面から行う必要があります。

自律神経失調症と噛み合わせの関係

自律神経失調症は、神経質な性格であったり真面目で几帳面な人に現れることが多く、ストレスを感じると歯を食いしばる癖がある人も少なくありません。歯を食いしばることで顎を支えている咀嚼筋が緊張すると、その緊張が全身に広がっていき、全身の筋肉を緊張させる原因になっている可能性が高いと考えられています。

自律神経失調症の肩コリや首筋のコリは筋肉の緊張が原因であり、筋緊張性の頭痛であれば筋肉の緊張が原因と考えられます。そのため普段から意識して、できるだけ歯を食いしばらないように気をつけるだけでも身体が軽くなることもありますが、過剰に意識してしまいストレスが溜まってしまっては本末転倒なのでストレスを溜めない程度に抑えましょう。

また咀嚼筋が楽になる位置に下顎を誘導するための精密なマウスピースを作って下顎を安静にすることでも効果があり、下顎の周辺の筋肉が安静になることで全身の筋肉も安静になり、身体全体が楽になって精神面にもいい影響をもたらします。心に余裕を持てるようになれば多少のことでイライラすることが減り、ストレスも軽減されると考えられています。自律神経失調症は神経質だったり真面目な性格の他に、顎関節症を患っている人に多く見られることがわかっており、顎関節症の他にも、顎骨への負担があったり、顎周辺の筋肉が緊張している場合は、自律神経失調症を発症しやすいと言われています。咀嚼筋の緊張は脳の視床下部や脳幹に影響を及ぼし、自律神経を乱します。咬み合わせが悪いと頸椎がねじれ、神経系がうまく働かずに自律神経失調症を引き起こすと考えられています。

顎関節症について

顎関節症の代表的な症状は、顎が痛く、口が開かない、あるいは開けにくかったり、音が鳴る、耳が詰まったように感じます。他にも頭痛、肩コリ、首コリ、めまい、耳鳴り、吐き気、内臓機能低下、抑うつ、睡眠障害などがあります。

顎関節症でこのような不調が現れれるのは、顎の周辺の筋肉が緊張しがちになることが関係していると言われており、顎周りの緊張がだんだん全身へ広がっていくと、頭痛や肩こり、腰痛など全身に不調が現れます。自律神経失調症と顎関節症の症状を比較してみると、頭痛や肩コリ、耳鳴りやめまいなど共通する症状もいくつかあり、顎関節症になると自律神経失調症が現れるという見解をもつ医師も存在します。

顎関節症では顎のバランスが悪く、左右対称に顎を使えない等で、徐々に全身のバランスを崩していくことに繋がります。筋肉や骨格のバランスを崩し、脊髄などを圧迫することによって自律神経へ悪影響を及ぼしたり、顎周辺の血行不良が発生し、脳へ運ばれる血液が正常に運ばれないことで不調が出るというケースが考えられています。

顎関節症を引き起こす原因は、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの悪さであったり、食事をするときなどに、片方の奥歯でしかものを噛まない偏咀嚼の習慣があると顎関節症になりやすくなります。その他にも頬杖をつくクセがあったり、うつ伏せで寝る習慣や猫背も片方の顎に負担をかけやすく、顎関節症を引き起こす原因と言われています。

肉体的な原因の他には精神的なストレスで顎関節症になるケースがあると言われています。
自律神経失調症の治療は、基本的に薬物療法で症状を緩和し、カウンセリングなどの行いながら症状や原因によって、心身両面に働きかけるように行なわれます。顎関節症や食いしばる習慣がある場合は、マウスピースを作り装着したり、日中に食いしばりがある方は、上下の歯に隙間を作るように意識をしたりし、精神的にも安定した気持ちで過ごすように心がけることが大切でしょう。

噛み合わせを改善したら症状が消えたという声もあるため、噛み合わせにお悩みの方は一度歯科医院に相談されてみてはいかがでしょうか。

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