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咬合力

普段の食事でよく噛んで食べることは意識していますか?噛む力(咬合力)を維持するということは、食生活や身体の健康にダイレクトに繋がっていますが、それだけでなく、実はスポーツにも影響があることがわかってきました。人間の噛む力は食事のときで、だいたい自分の体重くらいの重さがあると言われ、男性であれば60kg、女性であれば40kgほどと言われています。この噛む力には一体どれほどの重要性があるのか、ご紹介します。

噛む力の大切さ

噛む力が衰えると、どうなることが想像できますか?
噛む力が衰えると、食事が楽しくなくなったり、軟らかいものばかり好んで食べるようになることが想像しやすいかと思います。しかしそれだけでなく、噛む力(咬合力)が衰えると、咀嚼力(そしゃくりょく)が衰えます。そうすると咀嚼の回数が減り、脳への刺激が減少することで認知症や、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病にまで発展することが考えられるのです。噛む力が衰える理由は老化だけではなく、食生活の変化や、虫歯・歯周病などの口腔疾患によって歯を失う事で噛む力は低下します。噛む力を保つためには、出来るだけ歯を失わないことが大事です。奥歯の一番大きな第一大臼歯をたった1本失うだけで、噛む力は約半分に低下すると言われており、仮に入れ歯を入れたとしても自分の歯で噛む本来の力には及ばないでしょう。

しかし、歯を失い入れ歯やインプラント等でしっかり噛む力が維持されている人は、認知機能が良好であったというデータもあるため、「自分の歯ではないから・・」と諦めずに日々の噛む習慣が大切だと言えるでしょう。また緑黄色野菜を食べている人も認知機能にいい結果をもたらしたと言われ、噛む力がしっかりあれば、栄養バランスを偏ることなく摂取でき、脳への刺激も促されることから、このような結果になったと考えられています。さらに噛めば噛むほど満腹中枢が刺激されるので、適量で満腹感を得ることができ、食べ過ぎ防止につながり、肥満を防ぎます。それだけでなく、頭の血の流れが良くなり、脳の働きがスッキリし、仕事や勉強の効率が上がることや、運動や呼吸、ホルモンなどをつかさどる内分泌の働きと複雑に絡み合っているために、赤ちゃんの全身の発育にも大きな効果をもたらしてくれると言われています。

噛む力とスポーツの関係性

とある研究グループが、バドミントンの日本代表候補選手に、腹筋運動や反復横跳び、縄跳びや50m走などの運動をしてもらい、それらの成績と噛む力の関連性を調査するという研究を行い、噛む力が強い人ほど敏しょう性や瞬発力に優れているという結果が出たとの報告があります。

それは歯を食いしばり、力を入れることで、瞬間的に全身の筋力をアップされることが出来るからと言われています。一流アスリートの中には歯に気を遣っている人が多くみられ、世界的に活躍した選手の中には、1日に5回も歯を磨く選手もいるとのことで、ライフル射撃やボート競技の選手は、一般人のおよそ3倍もの噛む力を持っているとも言われています。サッカー選手であればシュートをする瞬間、野球選手ならバットを振る瞬間に歯を強く食いしばることが分かっており、噛む力が強ければ強いほど脳が活発に働き、判断力がアップするということがわかっています。俊敏さ以外にも、決定力や判断力、バランス感覚を安定させるなど、スポーツのさまざまな場面で噛む力は大きな役割を担っていると言えるでしょう。

噛む力を鍛えるには

近年では、高齢者だけでなく子供の噛む力も弱くなっているという声もあります。小さなお子さまの場合は、1歳半頃には乳歯が生えそろうので、少しずつ食材を噛む力がついてきます。乳歯から永久歯へ生え揃うのは、だいたい12歳前後で、そのころには咀嚼力も、乳歯が生え揃った頃のおよそ3倍になると言われています。筋肉や歯の発育・発達状況によって、噛む力や飲み込む力には個人差があるので、お子さまの歯の生え方や食事の様子を観察して、硬すぎず軟らかすぎない食事をさせるように工夫してみるといいでしょう。

噛む力を鍛えるための食事は、ゴボウやレンコンなどの根菜類、イカやタコなどの魚介類や海藻類は噛みごたえのある食材としてお勧めです。間食もアイスやケーキなどの軟らかいものばかりでなく、せんべいやリンゴ、ナシなどの果物を取り入れて、噛む力を養うのもいいでしょう。また、食材の切り方や調理法を工夫することで噛む力は養えます。離乳食初期は、食材をすり潰したり裏ごししたりして、食べやすくしますが、食べることに慣れてきたら、だんだん形を大きくしたり、みじん切りから千切り、いちょう切りから短冊切り、そして乱切りというように切り方を変えて工夫してみると良いでしょう。食材は大きすぎず、小さすぎないサイズに切り、繊維を断ち切るように切ると噛みごたえアップにつながります。調理法は、煮込み料理などは少し噛みごたえも残るくらいの硬さに加熱して、噛むトレーニングを意識してみるのもいいでしょう。

噛む力を鍛えるために日々の食事で噛む習慣を身につけることも大切ですが、虫歯や歯周病予防を行い、歯を失わないように取り組むことも噛む力につながります。歯の健康・寿命を守るため、毎日の歯磨きに加えて、半年に1回は大分県の歯科医院で定期検診を受けて口腔内をチェックしてはいかがでしょうか。

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